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薩摩ボタンは、鹿児島の伝統工芸品「白薩摩」に薩摩焼の技法を駆使し、金をはじめとする豪華絢爛な配色を施し、ミリ単位で作品を描いていきます。
着物などの和服やオーダーメイドなどの洋服の装いに、さらに上質な気品をまとわせるためのジュエリーにも似た芸術品といえます。
その歴史は、江戸末期に始まり、薩摩藩が倒幕運動などに必要な外資を得るための軍資金になったとも言われています。生活風景や花鳥風月など日本的なものが多く描かれ、ジャポニズム文化の一つとして欧米コレクターに大変貴重なものとされました。その後、その繊細な技法ゆえに作る窯元も減り、作り手は途絶え、幻のボタンと称されるようになりました。
室田志保さんは、そんな鹿児島の歴史と伝統が詰まった薩摩ボタンに魅せられた一人。
志保さんと薩摩ボタンとの出会いは、薩摩焼窯元で働いていた頃に見た一冊の雑誌だったと言います。
その後、イタリアフィレンツェへの短期留学や金沢国内留学などを経て、平成17年、大野地区(大野原)にアトリエ「絵付ヶ舎・薩摩志史(さつましし)」を構え、現代に合った薩摩ボタンとして復活しました。
「お客様の人生に寄り添いながら、永くお使いいただける作品づくり」をモットーに、様々な作品が作られてます。
作品のほんの一部をご紹介します。
瓔珞紋(ようらくもん)
瓔珞紋という観音様の装飾品を模した紋様を、ボタンの円周に沿って配置し、中心に盛金の小菊を描いています。(2010年日本ボタン大賞展・審査員特別賞・優秀賞受賞作品)(大きさ30mm、28,000円税別)
花芯椿
椿は茶道でも珍重され、冬の季節んは茶席が椿一色になることから「茶花の女王」と呼ばれます。花の芯を盛金で細やかに、そして花びらにはデザイン的に表現。(大きさ25mm、22,000円税別)
向い鶴
盛金の鶴と盛白金の鶴が向か合わせでデザインされたもの。空間処理は、盛白の砂子を散らしています。結婚式や正月など、お祝いの席に合う作品です。(大きさ30mm、26,000円税別)
アトリエは、大野原にあります。
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更新日:2015年4月1日