トップ > 健康・福祉 > 健康・医療 > たるみず元気プロジェクト > 健康チェック派生事業 > NexMo(みんなで健康長寿) > NexMo第7回(令和3年2月号)
更新日:2024年5月22日
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鹿児島大学病院
薬剤部副薬剤部長井上和啓
新型コロナウイルス感染症の猛威は鎮まるところを知りません。新型コロナウイルスに感染された方の中での感染経路が不明の方の割合が増加してきており、普通の生活を送っていても、いつ感染するかわからない状況になってきています。このような状況では、外出するのも躊躇してしまいます。
厚生労働省は、重症化するリスクの高い方として、65歳以上の方、呼吸器疾患を有する方、腎臓疾患や心臓疾患、血管疾患、糖尿病、高血圧症、肥満等で臓器等の機能が低下しているおそれがある方、臓器移植、免疫抑制剤、抗がん剤等の使用により免疫機能が低下しているおそれがある方や妊婦等を挙げていますので、お年を召されている方や基礎疾患をお持ちの方が外出を自粛しご自宅で生活する時間が長くなるのはやむを得ないことだと思います。
今回、「STAYHOME」を遵守される際のお薬の管理についてお話しさせていただきます。
実際に、新型コロナウイルス感染症拡大予防対策として外出を自粛する中で、医療機関への受診控えが問題になりました。
インターネットインフィニティー社(健康寿命の延伸をテーマに事業展開する民間企業)は、全国の759名のケアマネジャーを対象に、お薬を自己中断した利用者やその疾患などについてアンケートを実施し2020年7月にその結果を公表しています。
その報告を見ると、やはり感染が拡大している地域ほど服薬を自己中断している利用者が多く、その疾患としては生活習慣病や認知症などが多いという結果が示されました。特に生活習慣病では、非流行地域と比較して東京都では3.9倍の服薬中断が起きていました。コロナ禍の中では、医療機関の受診を控えてしまい健康を損ねるご高齢の方が増えることが明らかになりました(図1)。
厚生労働省は、令和2年4月10日に「新型コロナウイルスの感染拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」を発出し、新型コロナウイルス感染症が拡大し、医療機関の受診が困難になりつつある状況への対応として、電話や情報通信機器を用いた診療や服薬指導等の取扱いについて通知しました。
電話診療・オンライン診療の詳しい受診方法は、図2をご覧ください。
電話診療・オンライン診療は、初診の方でも対応していただけます。投与日数や処方可能なお薬に一部制限はありますが、通常の受診と同様の対応をしていただけます。
例えば、鹿児島大学病院では、電話診療を行い処方せんが発行されれば、病院から患者さんが指定された薬局に処方せんをファクスします。その後、指定された薬局に処方せんを郵送します。処方せんには電話診療を行った旨を記載していますので、薬局の薬剤師さんは電話やオンラインでの服薬指導に対応していただけます。「STAYHOME」が求められているとはいえ、そのために健康を害してしまっては元も子もありません。是非とも、この制度を利用して、健康を維持していただければと思います。
全国の電話・オンライン診療可能な医療機関は、右ページ図2のQRコードから、厚生労働省ホームページからご確認いただけます。ここでは、医療機関の一部をご紹介いたします。
薬剤師法第1条の「薬剤師の任務」には「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」と規定されています。薬剤師は、国民の健康を守る義務を負っています。
前述した、コロナ禍での医療機関の受診控えについても、かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師を持つことで、様々なご相談に対応できますし、電話診療やオンライン診療の制度もご紹介できます。
かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師は電話診療やオンライン診療の際、薬の説明や搬送等で活躍しますし、新型コロナウイルス感染拡大防止に積極的に関わり、患者さんや地域の方々の感染防止の取組を支援することで、感染の拡大を抑えることに貢献します。
また、治療薬やワクチンの開発等の最新の診断・治療・予防に関する情報や、マスクや消毒薬、手洗い用洗剤等の衛生製品の正しい知識や使い方の指導や、患者さんや地域の方々の疑問に答えることで、感染拡大防止に貢献できます。
STAYHOMEを求められる今こそ、信頼してお薬の管理を任すことができる、かかりつけ薬剤師を持っていただければと思います。地域で健康な生活を送るために、薬剤師は大きく貢献いたします。
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