トップ > 健康・福祉 > 健康・医療 > たるみず元気プロジェクト > 健康チェック派生事業 > NexMo(みんなで健康長寿) > NexMo第2回(令和2年9月号)
更新日:2024年5月22日
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鹿児島大学医学部保健学科理学療法学専攻基礎理学療法学講座
教授/牧迫飛雄馬
特任助教/中井雄貴
全国主要都市の65歳以上の高齢者を対象とした調査で、1週間あたりの身体活動時間は新型コロナの影響で約3割も減少していたことがわかりました。新型コロナの影響で運動が継続できずに、身体活動量が減少している高齢者が非常に多く、今後、要介護の危険が増加する可能性があります。今こそ自宅や近所でも実施できる運動を身につけて、習慣化して継続することが、これからの時代の「健康長寿」のために大切です。
加齢とともに体の変化が気になり始める40代。若い時と比べて疲労感が取れなかったり、太りやすくなったと感じ始める年代ではないでしょうか。そこで、ここでは6つの運動の重要性を確認し、自宅や職場でも気軽にできる運動をご紹介します。
このように、運動には心身ともに健康を維持する効果があります。しかし、仕事や家事などで忙しく運動の時間がとれないという人もいるかもしれません。ご紹介する運動は、仕事の合間や休憩時間にも簡単にできるストレッチと筋力トレーニングです。
ただし、次の運動の注意事項に気をつけてください。
これらの運動をこまめに継続していくことが健康維持のポイントです。
昨年、サルコペニア及びその恐れがある60歳以上の方を対象として、運動による身体機能の改善の効果を検証しました。「サルコペニア」とは、加齢や疾患により筋肉量が減少し、全身の筋力低下および身体機能の低下が起こることで、高齢者の身体機能障害や転倒の危険を増大させます。
サルコペニアの予防・改善のためにオススメする運動が「サルコサイズ(サルコペニア予防のエクササイズ)」です。
サルコサイズでは、「筋力トレーニング」を中心として、「ストレッチトレーニング(柔軟運動)」、「バランストレーニング」、「有酸素トレーニング」を組み合わせることを推奨しています。
「筋力トレーニング」では、抵抗を加えるためにゴムチューブを使って、徐々に抵抗(負荷)を強くしていくことが勧められます。ゴムチューブを使用せずに始めてみても結構です。4秒程度かけて運動して、4秒程度かけて元に戻すと良いでしょう。
「バランストレーニング」では、転倒に気をつけて実施してください。不安定な場合は、椅子の背もたれや手すりにつかまりながら始めてみましょう。
「有酸素トレーニング」では、少し息が弾むくらいの運動が目安です。
サルコサイズを12週間継続した方々では、実施していなかった方々に比べて、歩く速さがはやくなり、椅子の立ち座り動作もはやく実施できるようになりました。5回立ち座りに要する時間の減少は身体機能の向上を示し、28%の改善率が認められました。
サルコサイズの4つのメニュー(ストレッチトレーニング、筋力トレーニング、バランストレーニング、有酸素トレーニング)をご紹介してまいりましたが、いかがだったでしょうか。ご自宅で実践される際は、できる範囲で行ってみましょう。またサルコサイズは、自主講座(参加料無料)が開催されています。自主講座に参加ご希望の方は、垂水市保健課までお問い合わせください。自主講座の世話人の方とおつなぎし、参加までの流れ等をサポートいたします!
自粛生活の長期化で外出機会が減少すると、脳の機能が衰えてしまうことも心配されます。認知症の予防のためには、適度に身体を動かして運動することと、頭を使って脳を刺激することが重要です。
そこでオススメするのは、「コグニサイズ(Cognicise)」です。
コグニサイズとは、認知を表すコグニション(cognition)と運動を意味するエクササイズ(exercise)を組み合わせた用語で、国立長寿医療研究センターで開発された運動と認知課題を組み合わせた認知症予防を目的とした取り組みの総称です。
全身を使った軽く息がはずむ(中強度の負荷)程度の運動と頭を使う課題を同時に実施することがポイントです。
コグニサイズでは、課題自体がうまくなることが目的ではありません。課題に慣れ始めたら、どんどんと創意工夫によって内容を変えていきましょう。たまに間違ってしまうくらいが、脳に負荷がかかり、活動が活性されます。間違いながらも、楽しく課題にチャレンジすることがオススメです。
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